個人事業主が建設業許可を取るときに必要な条件とは
- こうご

- 9月8日
- 読了時間: 4分

建設工事の請負金額が大きくなると、個人事業主であっても「建設業許可」が必要になります。
1. まず確認:許可が必要になるケース
個人事業主でも、請負代金が税込で500万円以上の工事を請け負う場合や、一次下請の契約金額がある基準(多額)以上となる場合は許可が必要になります(一般/特定の区分あり)。
特に複数の都道府県で営業所を持つ場合は国土交通大臣許可が必要です(都道府県内のみなら知事許可)
2. 建設業許可で押さえる“6つの要件”(要点)
建設業許可の判断で官庁が重視する代表的要件は次の6つです。これらは建設業法(施行令・省令)と国交省のガイドラインに基づく実務上の要件です。
経営業務の管理責任者がいること — 代表者自身が要件を満たすか、常勤で該当者を置く必要があります(通常5年以上の経営業務経験など)。
営業所ごとに専任技術者を置くこと — 各営業所で施工管理等を担う専任技術者の配置が要件です(資格や実務経験で要件を満たします)。
誠実性(欠格要件に該当しないこと) — 暴力団関係、重過失の判決・執行、法人の役員歴による欠格等。地方自治体が詳細なチェックを行います。
財産的基礎または金銭的信用 — 自己資金が500万円以上もしくは500万円以上の資金調達能力(申請時に預金の残高証明書を添付)があること。(特に特定建設業では財産的基盤の審査が厳格)。
適正な社会保険の加入 — 常時使用する従業員がいる場合、雇用保険・労災・健康保険・厚生年金等の加入が必要です(申請時に加入状況を確認)
その他(施工能力・過去の違反歴等) — 工事実績や職人・下請の管理体制が問われる場合があります。
上記は省庁運用と各都道府県の手引きで共通認識とされる要点です。特に「経営業務の管理責任者」「専任技術者」「財産的基礎」は実務でのハードルになりやすいポイントです。
3. 個人事業主がつまずきやすいポイントと対処法
経営業務の管理責任者(経管)を満たせない場合:過去の役職や代表経験で証明できないときは、経験を有する他の者の常勤化(ただし実態要件あり)を検討します。事実を裏付ける契約書・源泉徴収票・発注書などの証拠提出が重要です。
専任技術者がいない:国家資格(例:一級施工管理技士)や学歴+実務年数など条件により代替可能です。求人による技術者の採用する方法もありますが、専任性(常勤性)の実態がポイントです。
財務基盤の不安:過去の事業確定申告書(直近数年分)、預金残高証明、取引先との請負契約書等で信用力を示します。特定建設業に移るほど審査は厳しくなるため、まずは一般建設業許可を目指すのが現実的です。
4. 申請前に用意しておくべき書類チェックリスト
登記されていないことの証明書・身分証明書(代表者)
確定申告書(直近3年分)
経営業務の管理責任者となる者の経歴書・証拠資料(発注書、取引先の証明、雇用契約書等)
専任技術者の資格証明書・職務経歴書(実務年数を示す証拠)
社会保険加入の証明書類(該当する場合)
その他:誓約書、登記事項(法人の場合)、欠格事由に関する届出書類 等
5. 一人親方(個人事業主)で「まずやること」実務チェック
自分が「経営業務の管理責任者」になれるか確認 → 過去の経験を洗い出し、証拠を集める。
専任技術者の確保方法を決める(自分が該当する資格を持つか、外部採用か、技術者と専任契約するか)。
確定申告書類・預金残高等で財務の説明準備。
社会保険の加入状況を確認し、未加入なら手続き準備。
営業所が賃貸物件であれば賃貸借契約書の使用条件が事務所用等になっているかを確認。
6. よくある質問(FAQ)
Q. 個人事業主でも法人化しないと許可は取れませんか?
A. いいえ。個人事業主でも許可は可能です。ただし要件証明(経営経験や財務基盤等)が必要です。
Q. 申請から許可までどのくらいかかりますか?
A. 申請先(知事か大臣か)や書類の整い具合で変わります。事前準備が整っていると手続きがスムーズになります。
まとめ個人事業主 一人親方 建設業許可
個人事業主でも建設業許可は十分に取得可能です。ただし「経営業務の管理責任者」「専任技術者」「財務・社会保険の整備」は実務で特に問われます。まずは手元の証拠資料を整理し、都道府県の「建設業許可手引き」を参照して不足箇所を埋めましょう。
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