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執筆者の写真こうご

増える空き家問題の解決は?


空 空き家問題


先日の日経新聞「長く空き家放置周辺3.9兆円損失」(6/16)で空き家の長期放置により大きな損失が出ているという記事がありました。


売却や賃貸といった目的がない居住世帯が長期不在の放置空き家は18年から23年の間に約36万戸増え約385万戸となった。7割が戸建です。

「全国空き家対策コンソーシアムが試算」





空き家の何が問題点なのか?

管理されない空き家では、庭木の繁茂や害虫・害獣の発生、空き巣など治安悪化への周辺住民の不安。周辺不動産価格を押し下げる要因にもなります。

また、マンションでは管理費、修繕積立金の支払が滞る事があり、日常の管理や修繕が充分にできず資産価値が下がる場合もあります。

空き家になっている家の持ち主は、片道1時間以上離れた場所にいるケースが多く、頻繁に管理ができる状況にないことも原因の一つです。

また、今後人口が減っても1人暮らしの増加などで世帯数は拡大が続くと予想され、その多くが高齢者であり、そこがまた空き家になりこの問題は続いていくと予想されます。



空き家問題解決のためにいろいろな対策がでてきました。


相続登記の義務化

2024年4月1日から「相続登記の義務化」がスタートしています。

相続で不動産を引き継いだ場合、名義変更が必要です。

今までは名義変更に期限がありませんでした。

所有者が分からなくなる事を防ぐために、2024.4.1から不動産取得をした相続人は、取得を知った日から3年以内、遺産分割が成立した日から3年以内に相続登記をしないと10万円以下の過料が科せられます。

この登記義務化は、制度開始前に相続が発生していたものも対象になります。


相続土地国庫帰属制度

相続した土地を国が引き取ってくれる制度が2023年4月よりスタートしています。

申請をしたら国が審査し、承認されたら申請者が10年分の土地管理日相当分を納付するという流れです。

どんな土地でもいいわけではなく要件があります。

具体的なものは下記のとおりです。

・相続した土地

・建物がない

・境界線不明土地は不可

・崖がないこと

・権利関係の争いがない

・担保されていない

・国に対し10年分の土地管理相当額を負担する事

他にも細かい要件や、土地の種類によって負担金の計算が違います。


他にも、市区町村が「空き家バンク」を創設しているので登録をしたり、場所によっては民泊、社会福祉施設としての活用、自治体によっては寄付できる場合もあります。

それぞれ要件を満たせば地域や社会に役立つ可能性があります。



また、日経新聞記事6/21「空き家流通ビジネス支援 国土交通省 仲介手数料の上限上げ」によると、国土交通省では空き家を減らすため、不動産業者が流通に乗り出しやすくするように支援する。

これまでは不動産業者が無償で空き家問題を無償で対応していた事例もあり、相続の相談、活用の提案等のコンサルティング業務は法律で定める仲介手数料の規格外と明示、空き家に限って仲介手数料の上限を引き上げる等を明確化することで不動産業者が空き家が発生した際の相談から活用まで一貫してビジネスとして取り組んでもらう事を狙う。

とあり、不動産業界でも積極的に空き家問題に取り組んでくれることを望んでいるようです。


なによりも、空き家になる前に対策をしておくことがとても大切です。


家族信託を利用する

現在、親が一人暮らし。今は元気でも認知症になってしまい、施設に入る事になり実家が空き家になってしまうというケースは多いのです。

元気なうちに信頼できる子供や親族に、資産管理をまかせる家族信託契約を結んでおく事が得策です。


任意後見契約を利用する

おひとり様や家族に頼れない方は、任意後見契約の活用で対策ができます。

認知症が発生した場合、財産管理を任せる人を事前に決め任意後見契約を結んでおき、認知症が発生したら任意後見

不動産についての取り扱いを契約に入れておく事で対策ができます。


遺言書をのこす

事前に相続人を定めておく事で無用な争いも起こらずスムーズに相続手続きができます。

押し付け合いや奪い合い、売る売らない等の争いを招かないようは良くあるケースで、結局そのまま手付かずになり空き家が放置される事もあります。


以上、増える空き家問題の解決は?でした。

こういった事前対策の検討もしてみては如何でしょうか?

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