建設業界における「2025年問題」とは、技術者不足が深刻化することで、業界全体に影響を及ぼす懸念を指します。
人口減、高齢者社会などの社会全体をみても必然的な状態といえます。
本記事では、問題の背景、解決の糸口、業界全体ができる取り組みを考察します。
↓住宅医協会さんの公式HPでは、建設業の種別と他業種の年齢別推移が集計されています。
同じ建設業の中でもとび職は若い年齢層が多い。
課題
技術者の高齢化
現在、建設業界で働く技術者の平均年齢は60歳を超えており、引退が相次ぐことで深刻な人材不足が懸念されています。
特に大工や左官職人といった専門技能を持つ職人の後継者不足が顕著です。
若者の建設業離れ
体力的負担が大きい、休暇が取りづらいなどの理由で、若い世代が建設業を敬遠する傾向があります。
工務店などの住宅業界では、人口減などで需要が減るのではと懸念され未来が見えない。
技術取得までに時間がかかる。
需要と供給の不一致
老朽化に伴い増加するインフラの維持・修繕需要に対し、現場で作業する技術者が足りていません。労働力不足が工期の遅延、コスト増大を招き、さらなる課題を生んでいます。
解決の糸口
労働環境をみなおす
長時間労働や休日の少なさを改善し、若者や女性が働きやすい環境を整える。
ICT(情報通信技術)や建設機械の活用により、作業の効率化を進める。
公共工事、民間工事ともに余裕を持った工期。天候に左右される建設現場では、工期の余裕は必要。
技能の見える化と評価
技能の評価基準を明確にし、職人の技術や経験を適切に評価する仕組みを構築する。
若手技術者のモチベーション向上につながるキャリアパスの提示が必要です。
教育と訓練の強化
高校や専門学校との連携を深め、建設業に特化した教育プログラムを提供する。
既存の職人による技能継承の仕組みを強化し、新人が技術を学びやすい環境を作る。
できること
イメージアップ
建設業界の魅力ややりがいを発信し、若者や未経験者が興味を持てるようなプロモーションを展開する。
例: SNSを活用した職人の日常や現場の魅力の発信。
多様な人材の活用
女性や高齢者、障害を持つ方も働ける現場づくりを進める。
例: 女性専用の作業服や設備の導入、軽作業の分担。
地域コミュニティとの連携
地域密着型のイベントや説明会を開催し、高校生や若者に建設業の実際を知ってもらう取り組みや、地元で働くことの意義を伝える。
まとめ
建設業界全体で働きやすい環境を整え、若い世代や多様な人材が参加できる仕組みを作ることが必要ではないでしょうか。
技術の継承と新しい技術の導入、イメージアップに取り組むことなどで、次世代へつながる建設業界を目指していきたいですね。
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